【 読めばわかる⁉︎ 】雅楽の概要と買取対象の楽器について

雅楽の歴史

雅楽は約1400年程前に始まったと言われおり、その時代あたりから中国大陸の「唐楽(からがく) 」、朝鮮半島の「高麗楽(こうらいがく) 」などの音楽や舞に影響を受け、平安時代頃に日本風に独自に改良され、それが現代まで続けられている世界最古の音楽芸能です。
主に京都、大阪、奈良の演奏家が多く伝承されて来た為、「雅楽」という名前は知っていても、どんな事をしてるのか知らない人も少なくありません。

表現の種類

雅楽の表現には「管弦(かんげん) 」 「舞楽(ぶがく) 」 「歌謡(かよう) 」の３種類あります。

管弦(かんげん）

管弦の表現とは楽器のみで演奏を行います。
編成としては管楽器、弦楽器、打楽器でオーケストラと同じ楽器編成となります。

• 管楽器

　和音の笙(しょう)、主旋律の篳篥(ひちりき)、旋律の龍笛(りゅうてき)の三管

• 弦楽器

　拍節の琵琶(びわ)と楽箏(がくそう)の両弦

• 打楽器

　拍節の鞨鼓(かっこ)と太鼓(たいこ)と鉦鼓(しょうこ)の三鼓

雅楽にも十二律と調子が存在します。

十二律
十二律とはオクターブの中の12個の音律の事で、その12個の音律を「三分損益法（さんぶんそんえきほう）」という理論に基づいて作り出しております。わかりやすい所でいうとドレミファソラシドのピタゴラス音律と原理が同じです。
_{＊三分損益法とは中国の音律算定法です。三分損一という弦の長さを1/3程短くする事により、完全5度高い音を出すことができるものと、三分益一という弦の長さをを1/3程長くすることにより、完全4度低い音を出すことができる。}

十二音のコードと音階
　　　　　　　　コード　　 音階

壱越（いちこつ）　　　 D　　　　レ

上無（かみむ）　　　　 C♯　　　 ド♯

神仙（しんせん）　　　 C　　　　ド

盤渉（ばんしき）　　 　B　　　　シ

鸞鏡（らんけい）　　　 A♯　　　 ラ♯

黄鐘（おうしき）　　　 A　　　　ラ

鳧鐘（ふしょう）　　　 G♯　　　 ソ♯

双調（そうじょう）　　 G　　　　ソ

下無（しもむ）　　　　 F♯　　　ファ♯

勝絶（しょうぜつ）　　 F　　　　ファ

平調（ひょうじょう） E　　　　ミ

断金（だんきん）　　　 D♯　　　レ♯

調子
調子とは唐楽での音の高さ、速さ、旋律の型、長調、短調、節のめぐりなどの事をいいます。上記で説明した十二律の名前に調を付けたものが調子の種類となります。

音階によって調子を呂と律に分けることができます。
呂は中国のような雰囲気があり、律は日本の感覚に近い雰囲気のものです。
そして演奏には全部で六調子あり、それぞれに主音と呂律があります。

六調子の主音と呂律
　　　　　　　　　　　　　　主音　　　　　呂律

壱越調（いちこつちょう）　 「レ」「D」　　　　呂

平調（ひょうじょう）　　　 「ミ」「E」　　 　 律

双調（そうじょう）　　　 　「ソ」「G」　　　　 呂

黄鐘調（おうしきちょう）　 「ラ」「A」　　　　律

盤鐘調（ばんしきちょう） 　「シ」「B」　　　　律

太食調（たいしきちょう） 　「ラ」「E」　　　　呂

また、高麗楽でも高麗壱越調（こまいちこつちょう）、高麗平調（こまひょうじょう）、高麗双調（こまそうじょう）の３つがありますが、唐楽と比べると音が二律高いです。

舞楽(ぶがく）

舞楽とは中国大陸から伝わった「唐楽」と朝鮮半島から伝わった「高麗楽 」に「倭唄（しずうた）」「久米歌（くめうた）」「神楽歌（かぐらうた）」等の歌を舞と掛け合わせて平安時代にできた舞です。

中国大陸の楽舞が左方の舞「左舞」、朝鮮半島の楽舞を右方の舞「右舞」となり、対照的になる舞を「番舞（つがいまい） 」と呼ばれます。

左舞と右舞の対照点は、、、
左舞
・中国大陸の左舞は赤を基調とした衣装を纏い、金色の小物を持つ。舞台の左後ろから登場、左足を軸とする動作。

使用する楽器　笙、龍笛、篳篥の管楽器。鞨鼓、太鼓、鉦鼓の打楽器

笙により流れるように優雅なリズムや振り付け。

右舞
・朝鮮半島の右舞は緑を基調とした衣装を纏い、銀色の小物を持つ。舞台の右後ろから登場、右足を軸とする動作。

使用する楽器　篳篥、高麗笛(こまぶえ)の管楽器。太鼓、鉦鼓、三ノ鼓(さんのつづみ)の打楽器

篳篥と高麗笛により短く切れ目がはっきりしたリズムや振り付け。

歌謡(かよう）

そして最後は歌謡です。上記の２つと比べると聞き馴染みのある言葉かと思います。雅楽の歌謡とは歌う事がメインとされ、楽器は引き立て役として伴奏、助奏を行い「付物(つけもの) 」と呼ばれています。

伴奏で使用する楽器　笙、篳篥、龍笛の管楽器。琵琶、楽箏の弦楽器

新栄堂では雅楽で使用される楽器(笙、篳篥、龍笛、高麗笛、琵琶、楽箏、鞨鼓、太鼓、鉦鼓、三ノ鼓)は全て買取対象品となりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。